この記事は、Frez Essential Kitのように、プラットフォームに立ち、ストラップの長さを固定し、ほとんど動かない抵抗に対して上へ引くリフティング式のOvercoming Isometricを前提にしています。ぶら下がるテストではなく、足元のセットアップに対して力を出す方法です。
上のカバー写真は、プラットフォーム、ストラップ、センサー、手の位置をそろえて行うFrez Essential Kitの基本セットアップです。
Passive PullとActive Curlは、どちらも90度のハーフクリンプから始めます。違うのは、先に力を出す場所と、どこでその力を受け止めるかです。[1][2]
Passive Pullのやり方
Passive Pullでは、先に90度のハーフクリンプを作り、脚と体から伝わってくる力で指が開かないように耐えます。[1][2] Passiveという名前でも、指を脱力するわけではありません。
セットアップ
エッジ、ストラップ、センサー、足場を固定します。エッジの深さと形、使う指の本数、親指の位置、手首・肘・肩の角度を決めます。反対の手をどこに置くか、足幅と体幹の向きも毎回そろえます。
最初から最大で引かず、軽い力で姿勢を確認します。肩がすくむ、体がねじれる、足がずれるなら、ストラップの長さやエッジの高さを調整してください。
手順
- エッジに指を置き、90度のハーフクリンプを作ります。
- その角度を保ったまま、足でプラットフォームを押します。
- 脚、体幹、肩、腕を通って、力が指へ伝わるように上へ引きます。
- 力が上がっても、最初に作ったハーフクリンプが開かないように耐えます。
- 決めた時間を保ち、最後は急に抜かずに力を落とします。
うまくできている感覚
足で押すほど、指には「開かされる力」がかかります。その力に対して、90度のハーフクリンプを保つ感覚です。指は受け身に見えても、エッジから外れないように強く抵抗しています。
等尺性トレーニングとして見ると、関節角度を大きく変えずに力を上げていく練習です。ただし、全身から伝わる力を含むので、指だけの数字として扱わないほうが実用的です。
よくあるミス
- ハーフクリンプを作る前に体で引き始め、指の角度がすぐ開く。
Passiveを「指の力を抜く」という意味にしてしまう。- 足位置や体幹の角度が毎回変わり、全身の助け方がそろわない。
- 指から先に力を出し、Active Curlに近い手順になる。
- 開始から最大で引き、姿勢が崩れる過程を見落とす。
使いどころ
脚と体で作った力を、90度のハーフクリンプでどれだけ受け止められるかを見たいときに使います。リフティング式のセットアップに慣れているクライマーなら、比較的流れをつかみやすい方法です。
Active Curlのやり方
Active Curlも、最初の形は90度のハーフクリンプです。ここでは指が先に力を出し、その結果として体と脚に下向きの力が返ってくるので、脚でそれを受け止めます。[1][2]
開始時点から90度のハーフクリンプにそろえます。途中で指の角度を深くしたり浅くしたりせず、同じ形から指の力を立ち上げます。
セットアップ
エッジとストラップは、体で大きく引かなくても指から力を出せる高さにします。指は最初から90度のハーフクリンプに置きます。足はバランスを取るために使いますが、先に強く押して力を作らないようにします。
手首、肘、肩は、Passive Pullと同じように毎回そろえます。反対の手で強く支えると記録の意味が変わるので、使うなら位置と力のかけ方を固定してください。
手順
- エッジに指を置き、90度のハーフクリンプを作ります。
- 足で先に押さず、指から力を出し始めます。
- 指の角度を変えずに、力を少しずつ上げます。
- 体と脚に返ってくる下向きの力を、足で受け止めます。
- 90度の角度が開き始めたら、力の戦略はPassive Pullへ移っています。Active Curlだけを測るなら、いったん力を抜いてセットし直します。
うまくできている感覚
最初に働くのは指です。指がエッジに力をかけると、体が下へ押されるような反力が出ます。脚はその反力を止める役割です。指の形はずっと90度のハーフクリンプのままです。
力が上がるほどハーフクリンプが開くなら、指で力を出し続けるより、体で引く側に切り替わっています。記録を分けたいときは、そこで粘らずリセットします。
よくあるミス
- 指より先に脚と体で引き、Passive Pullと同じ流れになる。
- 力を上げる途中で90度のハーフクリンプが開く。
- 指の角度を変えて別の動作にしてしまう。
- 記録を上げようとして、足の押し方や反対の手の支え方を毎回変える。
- Active Curlの数値が低いだけで、指が弱いと決めつける。
使いどころ
90度のハーフクリンプを保ったまま、指から力を立ち上げる順序を確認したいときに使います。Passive Pullと同じ日に試す場合も、記録は別プロトコルとして残します。
30秒で軽く違いを比べる
これは最大筋力テストではありません。痛みや違和感が出たら、その場で止めます。安全なハングボードトレーニングと同じで、数字よりも再現できるフォームを優先してください。
- 10秒 Passive Pull: 先に90度のハーフクリンプを作り、足で押しながら指が開くのを耐えます。
- 10秒休む: 手を振って力を抜き、足と腕の位置は変えません。
- 10秒 Active Curl: 足で先に押さず、指から力を出します。90度のハーフクリンプを保ちます。
最初の10秒は、力が「足、体、指」へ流れてくるかを見ます。最後の10秒は、力が「指、体、脚」へ返っていくかを見ます。軽い力で十分です。
2つの記録は分けて見る
Passive Pullには、脚と体から伝わった力が含まれます。Active Curlは、同じ90度のハーフクリンプから指が先に力を出す方法です。
この2つの数値を引き算したり、比率にしたり、全員に当てはまる標準値として扱ったりしないでください。今見るべきなのは、同じプロトコル内での過去の自分との比較です。
MVCテストとしてピークを見たいのか、RFDのように短い時間での立ち上がりを見たいのかでも、残すべき指標は変わります。目的を先に決めてから測ります。
比較するなら条件をそろえる
指の力の測定は、同じ条件で繰り返して初めて意味が出ます。クライミングの指力評価でも、測定方法の再現性が重要です。[3]
記録には、少なくとも次の項目を残します。
- Passive PullかActive Curlか
- エッジの深さ、角の丸み、表面、引く方向
- グリップ形状。ここでは90度のハーフクリンプ
- 使った指の本数と親指の位置
- 手首、肘、肩の角度
- 足位置、体幹の向き、反対の手の支え方
- ウォームアップ、力を上げる速さ、測定時間、休憩時間
- ピークフォース、平均フォース、RFDなど、採用する指標
セットアップが変わると、同じ数字でも意味が変わります。特に足位置と反対の手は、リフティング式の測定で結果に影響しやすい部分です。
Frezには方法と条件を一緒に残す
Frezの役割は、測った瞬間の数字を出すことだけではありません。同じエッジ、同じグリップ、同じプロトコルで繰り返せるトレーニングにし、あとから傾向を見られる形で残すことです。
Passive Pull — 90度のハーフクリンプから伝わってくる力を受け止めるActive Curl — 90度のハーフクリンプから指で力を出し始める
どちらかを正解にする必要はありません。Passive Pullは、90度のハーフクリンプで全身から伝わる力に耐える方法です。Active Curlは、同じ90度のハーフクリンプから指が先に力を出す方法です。
同じ名前、同じ条件、同じ指標で記録を重ねると、1回の数字ではなく流れが見えます。Frezでは、その流れを測定と反復トレーニングの両方につなげてください。
参考資料
[1] https://www.youtube.com/watch?v=SgsHVhxx08c — StrengthClimbing — The Best Finger Strength Protocol for Rock Climbing
[2] https://www.youtube.com/watch?v=hNhzF1XsWPs — C4HP / Tyler Nelson — Finger Strength Training 4 Rock Climbing
[3] https://www.frontiersin.org/journals/sports-and-active-living/articles/10.3389/fspor.2025.1650198/full — Pérez-Cordero et al. 2025 — Reliability of finger strength assessment methods in climbing

